【メイキング】3.色塗り①
ここまで構図~下塗りまで行ってきました。
メイキングの本題ともなる塗りに入っていきます。
今回は人物の塗りを一気に紹介します。
■使用ツール
ペンは主に以下を使い分けます。
濃い水彩を使用して、ざっくりと大まかな影を描きます。
パーツによって濃度や絵具量は変化しますが、基本的には初期設定のままで描き進めます。
濃い水彩で塗った箇所を、透明水彩で伸ばします。
絵の具量を調整しながら、あえてムラを残したり残さないようにしたりと様子を見ながら影の形を整えるのに使います。
他、ブラシや色まぜの指先ツールなどを要所要所で使用しながら質感を意識して塗っていきます。
■人物_肌
早速肌の塗りに入ります。
顔の部分はどうしても髪の毛をかぶってしまうので、一度髪の毛は非表示にした状態で塗り進めます。
①肌の色を置いたベースレイヤーです。
塗り残しを防ぐために、髪の毛がかかっている部分より広めに塗るように意識しています。
②肌のベースレイヤーの上に乗算レイヤーを作成し、ベース色より気持ち赤め、彩度低めの色をざっくりブラシツールを使っておきます。
③更に乗算レイヤーを作成・クリッピング化し、②で使用した色より明るめかつ彩度高めの色をポイント的に置きます。
今回は小学生くらいの年齢に見えたらな~と思いながら描いていたので、目元を中心に鼻や耳、唇部分に置きました。
④同系色の彩度が低い色で大まかな影を描いていきます。
暖色系に寒色を使うと、どうしても色がくすみやすくなってしまうので、適宜彩度や明度バランスを調整しながら影の形などを整えていきます。
ここのバランスをしっかり確認しないと、後々色彩に違和感を覚えることになるので、いつも気を使います。
今回は全体的に青・紫をベースとしているので青と紫の中間あたりの色を使用しました。
⑥肌部分のバランスを見ながら顔にかかる影を加筆します。
他、コントラストだったり明暗が足りないかな?と思う箇所にほんの少し色を足しています。
⑦最期に通常レイヤーでハイライトや照り返しを入れます。
ハイライトは場合によってはスクリーンレイヤーで入れたり加算レイヤー・比較レイヤーで入れる事もあります。
レイヤー構造は以下の通りです。
レイヤーは後で調整することも考えて、基本的にはパーツ毎に仮完成となった時にまとめて統合するようにしています。
■人物_目
次に、目の塗りをします。
①ベースレイヤーに不透明保護のチェックを入れ、納得するまでひたすら塗り込んでいきます。
この時、同系色ばかりを使用するのではなく、橙や桃よりの色も使用して塗ります。
同じパレット色だけ使用すると色に深みが出にくいので、意識的に別の色を混ぜるようにします。
②塗り込んだレイヤーの上に加算やスクリーンレイヤーなどを追加し、目を整えます。
私は瞳孔の中にアクセントカラーとなる色を入れるのが好きなので、淵を残すようにして色を入れます。
今回は紫の気分だったので、紫を入れてみました。
レイヤー構造は以下の通りです。
照り返しは基本的に「肌」「髪」「白目」の照り返しを入れるようにしています。
このあたりは絵の雰囲気やテイストで変化するので、固定ではありません。
一旦ここで塗りをやめ、全体のバランスを確認します。
特に問題が無いように思うので、このまま服の塗りに入ります。
服は基本的に塗り方が同じなので、ブレザーの塗り方をピックアップして説明します。
■人物_服
基本的には以下の塗り方で塗っていきます。
①ベースレイヤーの上に乗算レイヤーを作成し、彩度低め・明度高めの寒色系でざっくりと影を描きます。
②単色の影だとメリハリがなくなるので、描き込んだ影に部分的にグラデーションを入れます。
③更に濃い色で影を入れ、立体感を出します。
④肌の時同様、照り返しやハイライトを入れて整えます。
レイヤー構造は以下の通りです。
影を入れる時は目の時と同様で、同じ色で描き込まないようにします。
同じ寒色系でも水色寄り、青寄り、紫寄りなどを使い分けます。
もしくはグラデーションなどを取り入れ、のっぺりとした感じを出さないように意識すると深みが出るような気がします。
同様に塗り進め、人物の塗りが完了しました。
全体のバランスを見ながら描き込むので背景にも少し手を出してしまっていますが、背景は目の塗りと似た塗り方をしているので、割愛します。
予定で仕上げ・最終調整まで持っていきたいところです。
もう暫く御付き合いください。